がん検診について
社会医療法人慶明会は法人としてがん対策に取り組んでいますが、今回、昨年度(R5.4月~R6.3月)までの協会けんぽでのがん検診の受診状況について調査しました。
生活習慣病検診と同時施行である肺がん・大腸がん検診の受診は全国平均をかなり上回っているものの、婦人科検診は2年に1回の受診であることや、自治体で受診しているケースもあるため誤差があるものの、全国平均をかなり下回っております。
また、検診には半日かかることや、胃がん検査の体への負担、女性がん検診は別医療機関を受診というところがハードル高く感じていると思われているようです。
がん検診は様々な研究によって証明された、がんの死亡率を減少させることができる確実な方法です。症状がでるころには、がんはかなり進行してしまっていることが多く、症状が出る前に見つけることがポイントです。
がん検診についての資料を作成しましたので、ご覧頂き、今年度中の受診をお願いいたします。
併せて、「がん対策推進企業アクション」作成のニュースレターもご覧ください。
がん検診について
はじめに
日本人の死因第1位は「がん」です。
しかし診断と治療の進歩により、早期発見、早期治療が可能となることも増えてきました。そのわけは、健康診断、がん検診、人間ドックなどが普及したこと、さらにその精度が向上したことです。
がん検診の流れ
がん検診は、一見健康な人に対し、「がんがありそう(異常あり)」「がんがなさそう(異常なし)」を判定し、『ありそう』と判断された人を精密検査で診断し、救命できるがんを発見することが目的です。
がん検診は、「がんがある」「がんがない」ということが判明するまでのすべての過程を指します。がん検診を受けて「異常がない」場合は、定期的な検診受診を継続していくことになります。「要精密検査」と判断された場合には、精密検査を受診することになります。
精密検査を受けて『異常なし、または良性の病変』であったときには次回の定期検診へ、“がん”と診断された場合は、治療に進むことががん検診の流れです。
精密検査や治療を受けなければがん検診の効果はなくなってしまいます。
対象年齢等は、市町村、検診機関により違います。
【がん対策推進企業アクション作成資料より抜粋】
社会医療法人慶明会でのがん検診受診状況
当法人と全国の受診状況を比較すると、
1.肺がん・大腸がん検診は、生活習慣病検診に含まれているため受診率が74%(全国40~50%)と高い。
2.胃がん検診は、全体では全国とほぼ同じ。
3.子宮頸がん・乳がん検診は対象が2年に1回のため多少の誤差はあるものの、全国平均40%台に比べ全体で15%、8%とかなり低いレベル。
子宮がん・乳がん検診は、個人的に市役所などで受診されている場合はこのデータに上がらないため不明ですが、特に若い世代には受診ハードルが高く、受診に抵抗があるのだと思われます。
しかし、子宮頸がん、乳がんの罹患数はいずれも40歳台にピークが見られ、近年、20代、30代の若年層に子宮頸がんが急増しています。20 代から「がん検診」を受けることが特効薬になります。
がん検診受診の方法
自己負担金の補助のある検診は「協会けんぽ」と「自治体(宮崎市・国富町・日南市)」の2種類のものがあります。
「協会けんぽ」は法人からの補助もあるため、およそ半額で受診することが出来ます。
1.協会けんぽ
各事業所より対象職員に案内→各事業所の総務担当者または健診センター(事業所によって違いあり)に申し込む
→ 担当者より受診日の連絡が来る。 → 健診の実施
2.自治体(宮崎市、国富町、日南市)(特定健診は対象外)
①自宅に送られてきた受診票を持参し、指定医療機関にて受診。(予約が必要な場合あり)
②受診票を持参し、検診車や会場にて集団検診で受診。(予約が必要な場合あり)
自治体により、受診票を請求する必要がある場合もあります。